パソコンスペック解説! 最大周波数、コア、スレッド、N95 とは?

価格がお手軽なPCはないものかとAmazon巡回していたところ、下記の mini PC を見つけました。
(画像クリックでAmazon商品ページに遷移します)

パソコンの詳細情報を見てみると、そのパソコンのスペックがまとまっているわけですが、いまいちこれらのスペックが表す意味がわからないと、本当に買うのによい商品なのか判別がつきづらいと思います。

そこで本記事は具体的商品を通して、各スペックの表す意味を解説してみた記事です。
今回は「最大周波数」「コア」「スレッド」「N95」に焦点をあてて解説しています。

随時その他スペックについても解説記事を出していく予定です!

キーワード

商品紹介欄には下記の文言で紹介されています。

高性能で低消費電力のパルス周波数最大3.40GHzのAlder Lake-N95
(6Mキャッシュ、4コア4スレッド)を搭載

Amazon 商品ページより

ここで出てきているキーワードは
・パルス周波数最大3.40GHz
・4コア4スレッド
・6Mキャッシュ
・Alder Lake-N95

ですね。以下ではこれらのキーワードについて紹介解説していきます!

CPU速度 最大周波数

「パルス周波数最大3.40GHz」はCPUの処理速度を表しています。
本質的にはクロックの振動速度を表しています。
今回のCPUは最大周波数が3.4GHzなので、最速で1秒当たり10億サイクルの処理ができるということを表しています。この最大周波数が大きいほどより速く処理することができます。

この「最大」という意味はターボ・ブースト利用時のときに最大速度になりますよ、ということです。常にこの最大動作周波数で処理するのではなく、重い処理のときに一時的に速い処理速度にジャンプすることができるのがブースト利用です。

常に速い速度で動作すると、消費電力が上がってしまいますからね。

このように速度に差異を生ませるのは、軽い処理の時は最大動作速度より遅い動作速度 (ベースクロック速度) で十分だからです。消費電力が上がれば放熱量も大きくなり、PC全体の寿命にも影響しますから、”最大時だけでしょ?”と悲観的になる必要はありませんよ!インテルの優れた省電力技術です。

ちなみにこのターボ・ブーストはデフォルトで有効化されていて、こちらで別途設定する必要はないのでご安心を。

ただ、1秒当たり10億サイクルと言われても、どれだけの速度なのかピンと来ないかもしれません。
他のCPUではどれくらいか見てみましょう。今回はイメージしやすいと思われるスマホで使われているCPUの例を持ってきました。

iPhone 13, 14 : 3.23 GHz[1]
Galaxy S23 : 3.36 GHz[2]
冒頭 mini PC : 3.40 GHz
[1] The iPhone wiki
[2] Samsung Japan 公式 Galaxy S23

完全比較はできませんが、およそiPhone 13, 14 や Galaxy S23 と同程度の処理速度と思っていいのではないでしょうか。冒頭の mini PCのスペックですが Webサイト閲覧や、動画視聴などの用途で処理速度が求められるゲーム等の用途以外であれば全く問題ないレベルと思われます。

CPU速度 コア スレッド

「4コア4スレッド」のコアとスレッドもCPUの処理速度に関連しています。
どちらもCPUの処理効率を表す用語だからです。どちらも数が大きいほど処理効率がアップします。

コア数
コアとは CPU の数を示すハードウェア用語です。
命令を処理する頭脳的役割を果たしており、複数のコアを備えていれば同時並行で行える処理数が増えることを意味します。現在の一般的なPCは、基本的に複数のコアを内蔵していますよ。

スレッド数
スレッドとは一連の命令を表すソフトウェア用語で、1 個の CPU コアで処理できる数を表します。
つまり、同時に処理できる命令の最大数を表します。
1コアに割り当てられるスレッドが複数あれば、処理能力に余裕がある時に1コア内で複数の処理ができ、効率的にCPUを動作させることができるようになります。

例えば、4コア4スレッドの場合
CPU 各コアに余力があっても、それぞれ 1コア内で複数処理ができないためさらなる効率処理はできません。

しかし、4コア8スレッドの場合
CPUのスレッド数が各コア2つとなり、余力となっていたリソースを効率よく利用できるようになります。

冒頭商品の場合、4コア4スレッドなので効率化を追求することはできていません。ただ、さらなる効率化の追求ができていないだけで4コアあるので複数処理は問題なくこなすという商品ですね。

キャッシュ

「6Mキャッシュ」のキャッシュもCPUの処理速度に関連しています。
こちらもCPUの処理効率を表す用語だからです。基本的に数値が大きいほど処理効率アップに寄与できるデータ保存量が大きくなります。

キャッシュはメモリ領域のことで高速に動作できるのが特徴です。
このキャッシュに CPU が読み込むデータを保持することで、以下のような利点があります。

① 一度閲覧したWebサイトの再表示するときの動作を軽快にする
② メインメモリ(主記憶装置とも言います)への負担を減らす役割を果たす

メモリがメインメモリのみだと、CPUがメインメモリから読み込む速度は、CPUの処理速度より遅いため、CPUの効率的な動作が実現できなくなってしまいます。
そこで、頻繁に閲覧するようなサイトのデータはキャッシュに保持しておくことで、再閲覧時には高速で読み込みできるようになり、CPUが効率的に動作できるようになります。

しばしば、”キャッシュ”は動作を軽くするための”キャッシュの削除”としてと登場することが多いかもしれません。しかし、上記のように再度閲覧するときの動作を軽快にするということに一役買っているわけですね。

ただし、数値が大きいほど処理効率アップに寄与できるデータ保存量が大きくはなりますが、PC のスペック比較をする上では「周波数」「コア」「スレッド」ほど神経質になる必要はないと思っています。

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Alder Lake-N95

Alder Lake-N95 は Intel製CPU の Alder Lake-N ブランド名で、モバイル向けエントリーモデルのCPUです。シリーズ内では真ん中くらいのスペックです。モバイルとはノートPC向けなどを意味しています。

同シリーズには、以下の展開があります。[3]
Core i3-N305, Core i3-N300,
N50, M97, N100, N200,
Atom x7425E, Atom x7413E, Atom x7411E

性能比較したデータによると[4]
N95 の性能は平均以上であり、平均以上のスペック群内では中の下くらいに位置していました。
( [4] は性能比較結果が毎日更新されているサイトです。)

[4] Intel Products formerly Alder Lake-N

後記

今回は下記の商品スペックの「最大周波数」「コア」「スレッド」「N95」に焦点をあてて解説しました。ゲームする用途以外では十分のスペックをもつ商品だったんじゃないでしょうか。これが2万程度で購入できるのですから個人的に驚きです。PCも随分安くなりました。

内容は以上です。お読みいただきありがとうございました。


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